平成4年の創刊以来、18巻目を迎えた「実践事例アイディア集2010」Vol.18が完成し、3月初旬から各地の教育委員会を通じて、全国の小学校、特別支援学校、教育センターなどの教育機関へ無償で配布します。
Vol.18は対象となる全国の小学校、特別支援学校(盲、聾、養護)の先生方から、アイディアに富むコンピュータやインターネット活用の実践事例が、278事例(小学校258事例、特別支援学校20事例)もの応募があり、編集委員会で選考された60実践事例を掲載しています。
編集委員会委員長である玉川大学学術研究所特任教授の山極 隆先生からの編集にあたっての原稿を頂いたので、以下掲載します。
「実践事例アイディア集Vol.18」の編集に当たって関係各位のご協力のもと、今回Vol.18 の刊行を迎えることになった。毎年のことであるが何れも素晴らしい実践事例が応募され編集委員会による選考は困難を極めるがやり甲斐のある仕事である。
今回の応募の特色として、一昨年からその傾向は見られたが、今回は特に主要教科への応募事例が増えてきており、特に算数と国語の応募事例が多かった。これは新学習指導要領改訂の方向性からもわかるように、長く続いたゆとり教育から脱皮して子ども一人一人の基礎学力を重視する教育課程への転換が反映されていると理解できよう。
それとは逆に、例年応募事例が多く見られた体育、図画工作、家庭、音楽等の応募事例が減少する傾向が見られた。今回の教育課程の改訂は、基礎学力の重視と併せて、子どもの全人的な「生きる力」を重視しており、これらの教科の実践も益々重要になることから、多数の応募を期待している。なお、家庭と音楽の応募事例には、すでに一般化されたICT 活用事例が多く見られ、斬新なアイディアに富む事例が見られなかったので、今回は掲載事例を見送った。
今回の学習指導要領のねらいは、変化の激しいこれからの社会を生きるための知・徳・体のバランスの取れた力、すなわち「生きる力」を培うことである。このうち、知については、さまざまな問題に対応できる確かな学力であり、具体的には①基礎的な知識・技能の確実な習得、②習得した知識・技能を活用して問題解決に必要な思考力、判断力、表現力、論述力、コミュニケーション能力の育成、③自ら課題を見出し、主体的に探究する力の育成である。
そのような学力重視の学習指導の過程で、アイディアに富むコンピュータやインターネットの活用は今後益々期待される。
また、徳は他人を思いやれる豊かな人間性等であり、体はたくましく生きるための健康と体力は言うに及ばず、粘り強さ、最後までやり抜く力、チャレンジ精神など知の習得にも関連するバランスの取れた生きる力の育成が大いに期待される。 (山極 隆)
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