目的・狙い

 今後、日本国内で急速に進む教育でのICT活用の普及と深化について、会員メンバーとともに、すでに先行している海外の先進的な事例や研究成果を現地にて視察・調査し、各国の政府、学校、産業界が昨今の教育の情報化をどのように捉え、必要とされるコンピテンシーやスキルをどのような体制、管理、方法で育成しようとしているのかについて調査し知見を得ることを目的にしています。

最近の活動状況(2018~2024)

 2018年度は6月にオーストラリア視察を実施しました。クイーンズランド(ブリスベン、ゴールドコースト)の教育行政機関、学校などを視察し、またシドニーへ移動して大規模展示会を見学しました。STEM教育で世界的にリードしているオーストラリアの教育について、日本との違いを多く学ぶことができました。
 また、年度後半は、オーストラリア視察メンバーなどからも意見をいただき、次年度の視察の企画を進め、最終的には電子政府で有名なエストニアと、世界に先駆けて先進的な教育を進めてきたフィンランドを候補地とし、2019年5月に富山大学名誉教授の山西潤一先生に団長として無事視察を実施し、後日会員向けの報告会を開催しています。

 2024年度に、コロナ禍の影響で中断していた海外訪問調査を6年ぶりに実施。今回の訪問先は台湾で、台北と高雄を中心に11月11日から16日までの6日間、10団体17名が参加して無事催行された。現地では日本の文部科学省にあたる台湾教育部をはじめ、自治体、学校など8ヶ所を訪問するとともに、台北で開催されていた大規模な展示会EdTech Taiwanを見学し、台湾の教育情報化の最新動向を窺い知ることができた。(2025年2月13日に会員向けの視察報告会を実施済み)
2022年から台湾では、小学1年生から高校3年生までを対象とした「デジタル学習強化計画」が国家プロジェクトとして進められており、インフラ、デバイス、コンテンツ、教育ビックデータ等の拡充や活用が進められている。行政や学校だけでなく、保護者・大学・民間企業を含めた関係者間の連携が日本以上に組織的に行われているなど、参考になる点も多かった。
 当会の海外訪問調査は先進事例の情報収集の場としてだけでなく、異業種交流・産官学交流の貴重な機会と高く評価いただいており、2025年度も継続できるよう計画する。