公益財団法人JKAの協力のもと、教育とICTに関わる研究者、教育委員会担当者、校長、教員、そして事務局の(一社)日本教育情報化振興会で組織された「情報活用能力育成調査研究委員会」(委員長:放送大学 准教授 小林 裕紀 先生)によって協議・検討し得られた貴重な知見等から作成された「情報活用能力ベーシック」と「情報活用能力を育む授業づくりガイドブック」の内容を元に、情報活用能力を育む授業づくりの指針となる観点や授業事例をご紹介しています。

事例の見方・使い方

先生方は、日頃、学校教育目標や教育課程、各教科の年間指導計画に基づき、さらに、目の前の子どもたちの実態を把握し、当面している教育課題の解決をめざして、授業設計を行っていることでしょう。ただ、今、子どもたちを取り巻く社会や生活環境が、著しく変化してきています。特に、地球規模の課題や急激な社会の情報化は、これからを生きる子どもたちに、探究的な学習活動を通して情報活用能力育成の必要性を示唆しています。

ところが、どのように授業改善をしていけばよいか、悩まれているという声を多く耳にします。そういう先生方に、ぜひこのガイドブック、特にここからの「授業事例」をご活用いただければと思います。

「1.情報活用能力育成をめざす単元づくり」の項目では、単元づくりのねらいや発想のアイデアを、「2. 教科における情報活用能力ベーシックと本時のベーシック要素」では、各教科の指導内容を情報活用能力に読み替え、ここで扱う重要な要素について記述しています。また、「4.本時展開」の「主な学習活動」・ 「主な学習活動」 では「個や協働」の学びの形態を、「指導上の留意点」では「指示・確認內容」 「端末の使い所」を明記しています。各事例をもとに、さらに様々な教科における情報活用能力育成の授業づくりへと、拡張していただくことを期待しています。

佐藤幸江(放送大学客員教授)

むかしばなしをよもう~教材文「おかゆのおなべ」~

  • 情報活用能力育成をめざす単元づくり
    本単元は、読書に親しみ、いろいろな本があることを知ることをねらいとしている。日常耳にする言語とは違った言い回しの多い昔話に触れることは、子どもたちにとって新鮮な出会いがある。「おかゆのおなべ」は、奇想天外な場面展開である。1年生の子どもたちは、場面の様子を豊かに想像して楽しんで音読をするであろう。そこで、お気に入りの場面を見つけて友だちに紹介する学習活動を設定した。また、「おかゆのおなべ」で学んだことをもとに、自分で昔話を選択し、学級の友だちに紹介することを最終のゴールとした。それらの活動を通して様々な昔話に触れることになり、それによって昔話の共通点や違いなどに気づき、昔話独特の面白さが身近なものとなり、自らが本と関わり物語の世界を楽しもうとする態度が育つことを期待したい。
  • 国語における情報活用能力ベーシックと本時のベーシック要素
    【情報の収集】 必要に応じた方法で情報を収集する。   ②収集
    「いろいろなむかしばなしをよんで、ともだちにしらせよう」という学習課題を設定し、まずは教材文 「おかゆのおなべ」を読んでお話の気に入ったところやおもしろかったところなどを伝え合うために、カードに書き出す学習活動を行う。最終的に自分の好きな昔話を選んで「ともだちにしらせる」という明確な目的があることから、本教材から自分の感じたことの根拠となる叙述を集める学習活動になるであろう。
  • 本時目標
    お話の気にいったところやおもしろかったところなどを伝えるために、「しょうかいカード」に文章を抜き出し、思ったことを書くことができる。
  • 本時展開 全8時間(本時 4/8時間目)
時間主な学習活動指導上の留意点
導入1. 本時のめあてを確認する。「おかゆのおなべ」を楽しく音読することから始める。
お話の気にいったところやおもしろかったところを しょうかいしあおう。
展開2.【個別①】気にいったところやおもしろいと思ったところにどんどん線を引く。どうしてそこを選んだのか、思ったことも言えるようにしておく。
【協働①】ペアで、線を引いたところを見せ合い、思ったことを交流し合う。
【協働②】 全体で、うまく友だちに伝えられたか。伝え合った感想を出し合う。
【個別②】 友だちの紹介を聞いて、付け加えたいことがあれば付け加える。
●第1~3時で読む時にも、おもしろいと感じたところ等に線を引いておくと、何度読んでもおもしろく感じるところが同じであることに気づくことができる。
●ペアでの活動の時に、きちんと思ったことが言えることが大事であることを全員に伝えておく。
●学習者用デジタル教科書がある学級であれば、「マイ黒板」の機能を使うと、簡単に文章や言葉を抜き出すことができるので活用したい。
●教室や図書館にある昔話を読んでおくとこを確認する。
まとめ3. 次時には、「しょうかいカード」を完成することを確認する。

これからの食料生産について考えよう

  • 情報活用能力育成をめざす単元づくり
    日本の食料生産をめぐる問題は簡単には解決できない問題であるが、そのような問題こそみんなで議論をして最適解を追求することは、予測不能なこれからの社会を生きる子どもたちにとって必要な力である。日本の食にまつわる問題点について情報を収集・整理・表現し、今後の日本の食料生産の在り方ついて考えを深める中で、情報活用能力の育成が期待できる。
  • 社会科における情報活用能力ベーシックと本時のベーシック要素
    【整理・分析】観点を定めて異なる情報を比較・分類したり関連づけたりして整理する   ③整理
    「整理」に関する具体的な手立て: 資料動画を個々の端末で分担視聴して得た情報を班で伝え合い、分類したり関連付けたりしながら整理する。その際、綱引きチャートを使ってその情報がどの立場の根拠となるかを位置づける。可視化することによって、課題に対する自分の考えを構築できるようにする。
  • 本時目標
    資料から得た情報を説明し合い、自他の情報を整理したり統合したりして考えることを通して、日本の食料生産に関する問題点を理解することができる。
  • 本時展開(5時間扱い 本時 3/5 時間目)
時間主な学習活動指導上の留意点
導入1. 前時の学習を想起し、学習課題をつかむ
・短い動画を一斉視聴し、食生活の変化による輸入の増加が食料自給率低下の原因であることを確認する。
NHK for School の食料自給率に関する動画を一斉視聴する。
日本の食料自給率は低い日本のままでよいのだろうか。
展開2.【個の学び①】 自分の端末で資料動画を分担視聴する。
動画① 「輸入がささえる豊かな食生活」
動画② 「食料の輸入増加と日本の農業・漁業
動画③「食料輸入と環境 (フードマイレージ)
3.【協働の学び①】 同じ動画を見た人同士で確認する
4.【協働の学び②】 自分の班に戻り、自分が視聴した動画から分かったことを伝え合う。提示された付箋が、食料自給率が低いこと (輸入が多いこと)によるメリットなのか、デメリットなのか思考ツール上で整理する。
5. 【個の学び②】 互いの情報を組み合わせて、課題に対する自分の解を出す。
●わかったことを付箋にメモしておく。また、班の人に説明する時に必要なシーンをキャプチャする。
●同じ動画を見た人同士で交流し、内容を確認したり情報を補完したりする。
●キャプチャした資料を提示しながら説明するよう促す。
●綱引きチャートへ位置付けることで、3つの資料からの情報を整理し、考えを構築する時の参考にできるようにする。
●【個の学び②】の前に、多様な考えを得るためにグループ交流や全体でフリー交流する時間を設けてもよい。
まとめ6. クラスで考えを交流し、学習のまとめをする
今の食生活を変えることも大変だが、食料自給率が低いと様々な問題が残る。問題解決のためにどんな取り組みが行われているのだろうか。調べてみよう。
●学習をまとめ、次時の課題へつなげる
時間主な学習活動指導上の留意点
導入1. 本時のめあてを確認する。「おかゆのおなべ」を楽しく音読することから始める。
お話の気にいったところやおもしろかったところを しょうかいしあおう。
展開2.【個別①】気にいったところやおもしろいと思ったところにどんどん線を引く。どうしてそこを選んだのか、思ったことも言えるようにしておく。
【協働①】ペアで、線を引いたところを見せ合い、思ったことを交流し合う。
【協働②】 全体で、うまく友だちに伝えられたか。伝え合った感想を出し合う。
【個別②】 友だちの紹介を聞いて、付け加えたいことがあれば付け加える。
●第1~3時で読む時にも、おもしろいと感じたところ等に線を引いておくと、何度読んでもおもしろく感じるところが同じであることに気づくことができる。
●ペアでの活動の時に、きちんと思ったことが言えることが大事であることを全員に伝えておく。
●学習者用デジタル教科書がある学級であれば、「マイ黒板」の機能を使うと、簡単に文章や言葉を抜き出すことができるので活用したい。
●教室や図書館にある昔話を読んでおくとこを確認する。
まとめ3. 次時には、「しょうかいカード」を完成することを確認する。

正方形 ~さんかくやしかくの形をしらべよう~

  • 情報活用能力育成をめざす単元づくり
    本単元では、三角形や四角形について、観点を定めて整理・分析する。そして、思考の課程や判断の根拠などをノートに書き表したり、考えたことや工夫したことなどを算数的な用語を用いて友達に説明したりする。また、自らが判断したことを振り返り、タブレット端末を使って身近なところから三角形や四角形などの図形を探して撮影することで日常生活等に生かすという一連の流れで、情報活用能力を育成することができる。
  • 算数における情報活用能力ベーシックと本時のベーシック要素
    【まとめ・表現】 思考の課程や判断の根拠などを的確に表現したり、考えたことなどを数学的な表現を用いて伝えたりする。 ④表現
    前時までの学習で、三角形と四角形について学んでいる。しかし、本時の導入では、どちらにも当てはまりそうもない図形があることで、どうやって見分けたらいいのか理由をつけて説明する必要性が生じる。この課題意識をもとに、三角形と四角形の弁別の仕方について構成要素に着目して考えていく。定義を根拠とし、算数的な表現を用いて理由を説明することで、表現力を育むことをねらいとする。
  • 本時目標
    三角形や四角形の定義を根拠として弁別の理由を説明することができる。
  • 本時展開 全8時間(10時間扱い 本時3/10時間目)
時間主な学習活動指導上の留意点
導入1. 本時のめあてを確認する。
・短い動画を一斉視聴し、食生活の変化による輸入の増加が食料自給率低下の原因であることを確認する
●図形について、吟味していくことを確認する。
三角形、四角形、どちらでもない図形を見分けよう。
展開2. 自力解決する
【個別①】 定義をもとに、三角形や四角形と言える根拠や言えない根拠を考え、ノートに書き出す。
3. 考えを交流する
【協働①】 ペアでそれぞれの考えを交流する。
【協働②】 グループで考えを交流する。

4. 見分ける条件を整理してまとめる。
5. 適用する。
【個別②】 身の回りから三角形、四角形、どちらでもない図形を探して撮影する。
●前時を振り返り、算数の用語を使って表現するように指示する。
●自分の考えを発表することへの意欲を高める
●自分の考えを深めたり、説明の仕方を見直したりできるように支援する。
●直線・辺の数・囲まれている、という3つの条件で整理する。
●タブレットのカメラ機能を使い、それぞれが校内で撮影した図形を見せあって、見分け方を確認しあう。
まとめ6. 振り返りをする。

光の性質 ~理科の力で火事トリックを見破れ~

  • 情報活用能力育成をめざす単元づくり
    手鏡や水入りのペットボトルがある条件下で収れん火災を起こす。これらは光の直進性や光の収束による熱が主な原因だが、謎解きの要素を組み込むことで仮説を立てて問題解決しようとする態度を育成する。さらに学習過程では、問題解決の実際に実験を通して情報を集め、結果の違いから現象の様子を比較しながら光の性質を導き出す。そして仮説を裏付ける結果をもとに、収れん火災につながる原因を光の性質を使って説明するという一連の情報活用能力の育成ができる。
  • 理科における情報活用能力ベーシックと本時のベーシック要素
    【まとめ・表現】問題を見出し表現する。根拠のある予想や仮説を発想し表現する。解決の方法を発想し表現する。より妥当な考えを作り出し表現する。 ④ まとめ
    前時までの実験では光が反射したり、光が集まることで温度が変化したりすることなどを情報として集めている。火災になるかならないかの違いが「光の強さ」であることを仮説として、火災が起きた状況をもとに、自分たちで集めた情報を当てはめ、火災の原因を実験の結果と結び付けてまとめることができる。
  • 本時目標
    実験の結果など自分たちが集めた情報を結び付けて火災の原因を求めることができる。
  • 本時展開(8時間扱い 本時 6/8時間目)
時間主な学習活動指導上の留意点
導入1. 本時のめあてを確認する。
・実験で集めた結果とその時の映像を使ってまとめることを確認。
実験結果が各自のタブレット端末に入っていることを確認する。
集めた結果をつかって、火事の原因をつきとめよう。
展開2. 【個人】晴れている日と曇りの日の実験結果を比べて、何がどう違うのか気づいたことをノートに書き出す。
【班別①】 それぞれの児童が気づいたことを互いに発表し合う。その時に、それぞれの児童のタブレット端末に入っている根拠を示しながら紹介する。
●何について比べるのかを明確にしてから比べるように指示する。
●途中まででも分かっている範囲でいいので自分の考えを伝える。
●まわりの児童は手を休めて発表者の話を聞くように確認する。
●互いの発表の中で「そうだね」と納得できた部分はどこだったかを出し合い、それらを集めて火事の原因につなげるように指示する。
まとめ3.【班別②】班員の考えを比べて、話し合いながら火事の原因につながったことを絞り込む。その時にはタブレット端末に入っている映像を使って、仮説である「光の強さ」 に関することが考えの根拠になっているかどうかを確認する。

【参考URL】https://www.city.otsu.lg.jp/material/files/group/269/shurenkasai.pdf

せかいでひとつわたしのおもちゃ、~じぶんでおもちゃを作ってみよう~

  • 情報活用能力育成をめざす単元づくり
    生活科は、友達と協力して学習することの良さや、その学習の中での不思議さやものづくりの楽しさなど、3年生以上の学習につながる科学的な認識の基礎になる学習である。本単元のおもちゃ作りは、「おもちゃランドで、みんなで遊ぶ」 という学習ゴールに向けて、みんなで楽しく遊ぶためのおもちゃを作っていく。その過程では、おもちゃづくりの体験を通して得た情報を比べながら、より高く飛んだり、うまく走ったりするように改善する。さらにその工夫を伝えたり、使い方を説明したりすることで、表現する力を養うことができる。
  • 生活科における情報活用能力ベーシックと本時のベーシック要素
    【情報の収集】 目的を明確にしながら調べたり体験したりして収集する。 ②収集
    前時で試作したおもちゃを動かしてみて、うまく飛ばなかったり、まっすぐに進まなかったりといった自分の見通しと現実との差異から、どうやったらうまくいくのだろうという疑問を持つ。この課題意識を元に、同じおもちゃのグループで工夫を紹介し合ったり動きを比べてみたりして、その仕組みの違いに気づき、自分のおもちゃがよりよく動くように作り替える活動につなげる。
  • 本時目標
    作ったおもちゃがより良くうごくための工夫を見つけることができる。
  • 本時展開 全12時間(3時間扱い 本時 2/3時間目)
時間主な学習活動指導上の留意点
導入1. 本時のめあてを確認する。
・グループみんなで協力して工夫を見つけることを確認する。
●おもちゃごとのグループでよりよく動く工夫を見つけるために、人のおもちゃをよく観察することを確認する。
おもちゃがうまく動くための工夫をみんなでみつけよう。
展開2.【個別①】自分のおもちゃを動かしてみて、自分の見通しとどこが違うのか、どう良くしたいのかをプリントに書き出す。
【協働①】 同じおもちゃグループでそれぞれ動くおもちゃを披露し合い、どう工夫してよく動くのか、逆にどこが困っているのか、どうしたいのかを伝え合う。
【個別②】教えてもらった工夫をもとに自分のおもちゃがはじめよりもよく動くように作り替える。
●うまく表現できない児童には教員が言葉を添えながら表現の支援をする。
●よく動くおもちゃを作った児童はどこを意識して作ったのかを伝えるように指示する。
●作り替えるときに代わりに友達に作ってもらわないことを約束する。
●体験を通して気づいたことを記述させることで言葉の力も高めることができるので、まとめの時間を十分に確保する。
まとめ3. 【個別②】 どこを工夫したら動きが良くなったのかを振り返り、文章にして記録する。

表現豊かに歌おう 〜こいのぼり~

  • 情報活用能力育成をめざす単元づくり
    曲の特徴を生かした歌唱表現を工夫するためには、まず、楽譜や教科書の資料・書籍・WEBサイトなどの各種メディアから、歌詞の意味や楽曲の背景、それらをもとにつけられた音楽 (音符や諸記号)の特徴を読み取る必要がある。それらを関連付けながら、そこにどんな思いや意図があるのか、自分はどう表現するのかを思考していく過程で、情報活用能力を育成することができると考える。
  • 音楽科における情報活用能力ベーシックと本時のベーシック要素
    【まとめ・表現】 自分の思いや意図が聴き手に伝わるように表現したり、曲の特徴にふさわしい表現を工夫したりする。 ④表現
    「表現」に関する具体的な手立て: 前時までに「こいのぼり」の音楽の特徴と歌詞の意味を確かめ、そこから読み取れる作詞者・作曲者の思いについて話し合っておく。本時の冒頭でこれらの情報を整理した掲示物を提示し、主に「強弱」に着目した表現の工夫を考えさせることで、両者を関連付けながら、ふさわしい表現の工夫を考えられるようにする。
  • 本時目標
    旋律やそのリズム、強弱などの楽譜の情報と、歌詞の内容や自分のイメージ等とを関連付けて考え、「こいのぼり」の歌の表現を工夫することができる。
  • 本時展開 (3時間扱い 本時3/3時間目)
時間主な学習活動指導上の留意点
導入1. 前時までを振り返り、本時の見通しをもつ
・学習してきたことをもとに、強弱等に着目した表現の工夫をすることを確認する。
●前時までに確かめてきた歌詞の意味や音楽の特徴、作者の思いなどの情報を整理した掲示物を提示し、必要な時に見ることができるようにする。
「こいのぼり」をよりよく表現するための、歌い方の工夫を考えよう。
展開2.【個人の学び①】 こだわりたい箇所について、強弱等の工夫の具体と、その意図についてワークシート(楽譜)に書き込み、自分の考えをもつ。
3. 【協働の学び①】 特にこだわりたい部分についてグループ内で各自のアイデアを出し合い、実際に歌いながら「こいのぼり」 をよりよく表現するための歌い方の工夫を考える。
4. 【協働の学び②】 各グループから全体へ考えたことを提案し、全体で歌って表現の工夫の効果を確かめる。
●工夫できる要素として、強弱、音色(声質)、リズムなどがあることを確認し、視点をもって考えることができるようにする。
●前時までに、こだわって表現したい箇所の希望を聞いておき、グルーピングしておく
●表現の工夫の具体とともに、それによって何を表すか、何と関連付けて考えたのかを明確にするよう促す。
●友達の意見に納得した部分や、新たに考えたことがないかを問いかけ、自分がより妥当だと感じる表現を追求させる。
●楽譜上に言語化、図化することで学びを自覚できるようにする。
まとめ5. 【個人の学び②】
・各グループの提案をもとに、活動2のワークシートに書いた表現を再考し、自分なりに納得がいく表現の工夫を考える。
・考えたことを生かしながら1曲を通して歌う。

きらめき劇場 ~光のポストカードをつくろう~

  • 情報活用能力育成をめざす単元づくり
    本題材では、ガラスやプラスチック、金属などを組み合わせて光をあて美しい映像を作り出し、それを撮影することで「光のポストカードを」を作成する。より美しい映像にするためには、物の組み合わせや光のあて方を工夫したり、撮影した写真を吟味したり修正したりすることが大切であり、これらの活動を通して情報活用能力の育成が期待できる。
  • 図画工作科における情報活用能力ベーシックと本時のベーシック要素
    【まとめ・表現】感じたこと、想像したことなどのイメージから、表したいことを見付けて、好きな形や色を選んだり、表し方を考えたりしながら、技能を働かせて表現する。 ②収集
    「表現」に関する具体的な手立て: 友だちと協力することによって物の組み合わせと光のあて方のアイディアが広がり、表現の幅が広がる。また、撮影した複数の写真から選んだり加工したりすることで、自分の表したいイメージに合う表現ができるようになる。
  • 本時目標
    友だちと協力して、物の組み合わせと光のあて方を試しながら撮影することができる。
  • 本時展開 全●時間(本時 ●/●8時間目)
時間主な学習活動指導上の留意点
導入1. めあてを確認し、本時の活動の見通しをもつ。
・映像を見ながら、わたしたちのまわりには様々な光があふれていることを知る。
●ビー玉やガラス細工、金属などに光をあてることで美しい映像になることを示す。
物の組み合わせと光のあて方を工夫して、美しい映像を作って撮影しよう。
展開2. 【協働の学び】 友だちと協力して、ビー玉やガラスのコップなどに光をあて、光の美しさの表し方を工夫しながら撮影する。

3. 【個の学び①】 撮影してきた写真を比較しながら吟味し、作品にしたいものを1枚選び出す。
●グループ組み合わせ方を工夫する。
光のあて方や物の組み合わせを工夫して、情報機器で撮影できるようにする。
●複数の写真を比較することで、自分の表したいイメージに合うものを選べるようにする。
●情報端末を使った加工の方法を示して、次時への期待を高める。
●活動した後の学びを言語化できるようにして省察の力を高める。
確認4. 次時について: 選んだ写真を、明度やコントラストを調整して印刷して完成させる。
まとめ次時について:選んだ写真を、明度やコントラストを調整して印刷して完成させる。

「許せる? 許せない?」 (資料名「ブランコ乗りとピエロ」)

  • 情報活用能力育成をめざす単元づくり
    道徳科は、日常的な場面から課題を設定することが多く、自分の生活を振り返り、改善すべき点などについて見直すことも多い。今回は、「自分の身近なことで「許せない」と思うことを解決するには、自分はどうしたらよいだろう」と投げかけて、ねらいとするところの「広い心で自分と異なった意見や立場、相手の過ちを受け止められる判断力を培う」に迫る問題解決型の授業を実施する。今回のような、「許せるか? 許せないか?」 のような葛藤の場面では、いかに相手の情報や意見を収集し、状況を整理・分析できるかが問われ、また、討論によって自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、相手のことを理解する必要があり、一連の情報活用能力の育成ができる。
  • 道徳科における情報活用能力ベーシックと本時のベーシック要素
    【振り返り・改善】 自分の生活を振り返り、改善すべき点などについて進んで見直す。⑤改善
    「自分の大切にしている本を貸したら、友達がなくしてしまった」のような「最近の許せなかった出来事」をタブレットを活用して集約し、「ブランコ乗りとピエロ」を読んだ後にもう一度「最近の許せなかった出来事」を振り返ることで「どこが許せるようになったのか、なぜ許せるようになったのか」 見直すことができる。
  • 本時目標
    自分の立場から主張するだけでなく、自分とは異なる立場と思いがあることを理解し、広い心で相手を受け止めることができる判断力を培う。
  • 本時展開 全●時間(本時 ●/●8時間目)
時間主な学習活動指導上の留意点
導入1. 事前にアンケートを実施した「最近の許せなかった出来事」をロイロノートで共有する。
2. 主題を確認する。
●それぞれの出来事に共感しつつ、許せないと思い続けることのデメリットに注目させる。
自分の身近なことで「許せない」と思うことを解決するには、どうしたらよいだろう。
展開3.【個別①】中心資料について話し合う。
○カーテンのすき間からサムを見つめるピエロは、どんな気持ちだったでしょう。
○肩で息をしているサムを見たときのピエロは、どんな気持ちだったでしょう。
4.【協働①】主題に迫る話し合いを班で行う。
◎人はどのようなときに、相手を許せるような心が持てるのでしょう。
5.【協働②】自身の「最近の許せなかった出来事」をどうしたら許せるようになるか、班で助言し合う。
●ロイロノートを活用し、許すことができれば青の付箋に、許せなければ赤の付箋に気持ちを書き、提出させることで変化を色で確認する(回答は共有する)。
●班ごとに意見を紙の付箋に書き、1枚のシートにまとめ、写真をロイロノートで提出させる。
まとめ6.【個別②】 自身の「最近の許せなかった出来事」について、どこが許せるようになったのか、なぜ許せるようになったのか分析する。
7.【協働③】各自で分析したことを班で話し合う。
・許せなかったことも許せるようになった。
・相手が反省していたら許そうと思った。
・許せないと思う前に相手の気持ちを考えることができるようになった気がする。
●紙のワークシートに書いた意見をタブレットのカメラで撮って、その写真をロイロノートで共有する。
●自己分析の結果を伝え合うことで、振り返りを深める。

器械運動 ~マット運動~

  • 情報活用能力育成をめざす単元づくり
    体育科では、今まで技を習得する際に、教師が提示した資料を参考にしながら、教師や他の児童からの助言を頼りに、自身の技を分析することが多かった。しかし、1人1台タブレット端末が導入されたことで、技を習得するために必要な情報は自分で調べ、撮影した自身の動きを見ながら、改善点を分析できるようになり、得られる情報も、ゴールに向かう手段も格段に増えた。特に器械運動は、マット運動に限らず、鉄棒や跳び箱などの運動で技を習得するにあたり、体の回転や倒立など、日常生活では通常行われない動きを含んだ運動を行うことが多い分、己の感覚だけではこつをつかみにくい。タブレット端末を活用することで、映像やネット上の資料などの多くの情報から多面的に精査し、見つけたこつや技の組み合わせ方を体で表現し、撮影した動画をもとに助言し合うことで改善する力を養うことができる。
  • 体育科における情報活用能力ベーシックと本時のベーシック要素
    【整理・分析】課題を見いだし、他者と協働しながら解決したり、自分の考えを形成し伝え合ったり、思いや考えをもとに創造したりするために情報を捉えて多角的に精査する。 ③分析
    最終的には、あらゆる技を組み合わせて自分なりの挑戦の成果を表現するが、本時は基本的な倒立技を習得する段階である。ペアで良い点や改善点を整理・分析すればこつを精査することもできる。情報活用能力の育成を体育科に含めることで、自らの課題を見いだし、解決し、器械運動のよって目指すところの「運動の楽しさ」の発見につなげる。
  • 本時目標
    仲間と協力して教え合ったり、励まし合ったりしながら倒立技を楽しむことができる。
  • 本時展開 全15時間(15時間扱い 本時 6/15時間目)
時間主な学習活動指導上の留意点
導入1. 協力してマットを敷き、場づくりを行う
2. 準備運動を行う。
3. 本時のめあてを確認する。
●マットの並びの写真や図をタブレットで共有しておく。
NHK for School の「はりきり体育ノ介」の「側方倒立回転のできるポイント」を確認する。
側方倒立回転に挑戦しよう。
展開4.【協働】 ペアで側方倒立回転の練習を行う。
○ロイロノート上で今回の技に対して、自信があれば赤のカード、なければ青のカードを提出し、違う色の2人でペアを作る。
○技に挑戦するとき、ペアで交代しながらその様子を撮影する。
○撮影した動画を見て、良い点や改善点を分析する。
・話し合うだけでなく、動画に直接メモを書きこむ。
○課題解決した児童は技を発表する。
●人数の関係で3人グループになっても良いが、必ず自信あり(赤のカード) の児童を入れる。
3の「できるポイント」 と比べるため、真横から撮影させる。
●自信ありの児童は積極的に助言するよう促す。
●できている児童には、ロンダートへ挑戦させる。
●本時の初めと最後に撮った動画を見比べて、改善された所や技のポイントを書いて提出させる。
まとめ5. 【個別】 ロイロノート上で学習を振り返る。
6. 片付け
7.次時予告、怪我の有無の確認

※事例の執筆にあたって、渡辺拓也教諭(船橋市立葛飾小学校)の協力を得ました。

工夫しよう おいしい食事

  • 情報活用能力育成をめざす単元づくり
    この題材では、5年生で学習した3つの食品グループとそのはたらきについて振り返り、確認しながら、1食分の食事の計画を立てる。給食を教材に1食分の献立を作成することで、食事作りに必要な情報を整理し、自分の体を作るためにはバランスのよい食事が必要であることを理解させたい。そして、今後の生活の中で、自分や家族の食事作りをしたり、バランスのよい食事を意識してとったりするなど、学校での学習が家庭実践につながることを期待している。
  • 家庭科における情報活用能力ベーシックと本時のベーシック要素
    【整理・分析】 必生活をよりよくする視点をもって情報を取捨選択し、図表・グラフ等に整理する。 ③整理
    給食と自分が作成した献立とを比較し見直す際のポイントとして、「①栄養のバランスが取れている」 「②色どりの工夫がある」 「③時間の中での調理が可能である」という3つのポイントを学級全体で確かめます。この3つのポイントを基に比較し、足りない部分や不要な部分がないかを個々に表に整理します。その後、ペアで見合う場を設定し、対話を通してさらによりよい献立となるように考えます。
  • 本時目標
    献立作成のポイントについて、給食と自分が作成した献立とを比較することを通して、「栄養バランス」「色どり」 「調理法」の大切さを理解し、おいしい献立づくりにつなげることができる。
  • 本時展開 全●時間(本時 ●/●8時間目)
時間主な学習活動指導上の留意点
導入1. 本時のめあてを確認する。
●「給食の献立」を用意しておく。
よりよい献立になるように3つのポイントで見直そう。
展開2. 給食と自分で考えた献立を、3つのポイントで比較し、その違いに気づき、よりよい献立になるように見直す。

【個別①】「①栄養のバランスが取れている」「②色どりの工夫がある」 「③時間の中での調理が可能である」で比較し、表に整理する。
【協働①】ペアで、表を見せ合い、気づいたことを交流し、よりよい献立になるように検討し合う。
【個別②】 友だちとの対話を通して、より気づけたことがあれば付け加える。
●前時に整理した3つのポイントを想起させる
●表に整理させる。
●ペアでの活動の時に、きちんと思ったことが言えることが大事であることを全員に伝えておく。
まとめ3. 次時には、「我が家の献立」を改善することを確認する。

めざせ! みそはかせ・しょうゆはかせ

  • 情報活用能力育成をめざす単元づくり
    3年生は総合的な学習の時間が始まる最初の学年であるため、情報活用能力の要素である課題設定や情報収集の仕方を丁寧に育てたい。本単元では、国語で学習した大豆から興味を広げて課題を設定し、学区にある味噌屋さんや醤油屋さんを見学したり書籍やインターネットで調べたりする。得られた情報を整理分析した上で分かりやすくまとめ、学習発表会で発表する。その際、個人での学びとグループでの学びを取り入れ、より分かりやすくするための工夫に気付けるようにしたい。
  • ●●における情報活用能力ベーシックと本時のベーシック要素
    【情報の収集】 情報が必要かどうか取捨選択し、順序良く並べたり書き直したりする。③整理
    前時までに、自分のテーマについて、1人1枚のスライドを作成している。本時では、自分の作成したスライドを友達と紹介し合うことで、必要な情報だけ取り上げたり、必要のない情報を省いたりすることで、分かりやすい資料にスライドになることに気付くことができるようにする。本時の学習で得られた改善のポイントを参考に、次時以降にスライドを編集し、より分かりやすい資料づくりにつなげたい。
  • 本時目標
    のせた情報が本当に必要かどうかを選択してまとめる視点に気付くことができる。
  • 本時展開 全42時間(第3次 情報の整理(12時間) 本時 8/12時間目)
時間主な学習活動指導上の留意点
導入1. 本時のめあてをもつ。
・グループで発表し合い、より分かりやすいスライドにしていくことを確認する。
●学習発表会に向け、相手を意識したより分かりやすいスライドづくりをしようという意欲をもたせる。
わかりやすいスライドにするコツをみつけよう。
展開2.【協働①】自分が作ったスライドを示しながら、テーマについて調べたことをグループで紹介する。
【協働②】 お互いの紹介を聞きあって、スライドについてよかったところと改善点を伝えあう。
【一斉】指名された代表児童が自分のスライドについて発表する。全体で意見を出し合いながら、改善の視点に気付く。
●お互いの発表をグループで聞きあうことで、スライドを作成したり分析したりする視点を意識できるようにする。
●児童の発表をもとに「キーワードのみ示す」「しゃべる言葉は書かない」 「画像をトリミングして主張はっきりさせる」といった視点に気付かせる。
●机間支援をしながら、修正のポイントを伝える。
まとめ【個別】 学んだ視点をもとにスライドを修正する。
【協働③】 修正した箇所について、グループで簡単に紹介し合い、本時で学んだことをふりかえる。
●振り返りをすることで、次時以降も、改善の視点に注意して修正することを意識させる。

事例の見方・使い方

先生方は、日頃、学校教育目標や教育課程、各教科の年間指導計画に基づき、さらに、目の前の子どもたちの実態を把握し、当面している教育課題の解決をめざして、授業設計を行っていることでしょう。ただ、今、子どもたちを取り巻く社会や生活環境が、著しく変化してきています。特に、地球規模の課題や急激な社会の情報化は、これからを生きる子どもたちに、探究的な学習活動を通して情報活用能力育成の必要性を示唆しています。

ところが、どのように授業改善をしていけばよいか、悩まれているという声を多く耳にします。そういう先生方に、ぜひこのガイドブック、特にここからの「授業事例」をご活用いただければと思います。

1.情報活用能力育成をめざす単元づくりの項目では、単元づくりのねらいや発想のアイデアを、2.教科における情報活用能力ベーシックと本時の「13のキーワード」では、各教科の指導内容を情報活用能力に読み替え、ここで扱う重要な要素について記述しています。また、4.本時展開の「主な学習活動」では「個や協働」の学びの形態を、「指導上の留意点」では「指示・確認内容」「端末の使い所」を明記しています。各事例をもとに、さらに様々な教科における情報活用能力育成の授業づくりへと、拡張していただくことを期待しています。

佐藤幸江(放送大学客員教授)

仕事とエネルギー (情報活用能力を育む授業事例 ①課題の設定)

  • 情報活用能力育成をめざす単元づくり
    本単元では、力学的な仕事の定義を基に、仕事とエネルギー、力学的エネルギーに関する現象について進んで関わり、解決方法を立案し実験や観察を行う。その結果を分析して解釈し、力学的エネルギーの特性を理解すると共に、それらを日常生活と関連付けながら探究的に学ぶことができる。既習内容を使って日常生活の様々な事象の説明につなげやすく、実験によっては数量的比較も容易であるため、分析、解釈をした上でグラフや図表を使って視覚的に説明につなげることもやりやすい単元である。
  • 理科における情報活用能力ベーシックと本時の 「13のキーワード」
    ●5つの学習プロセス  ①【課題の設定】:力学的エネルギーに関する実験の事象をとおして問題を見いだし、学習してきたエネルギーの考えを使って解決したい課題を設定する。
    ●13のキーワード:「発見」


    以下の図のような2種類のコースの左端 (スタート)から同じ鉄球を転がすとした場合、距離が長いコースBの鉄球の方が右端(ゴール)に早く到着する。滑り出しの傾斜角度は同じなので滑り出しの速さは同じである。それにも関わらず最終的には距離の長いコースBが早く到着する現象を見て、疑問に思ったことや不思議に感じたことから課題を見いだし、それに基づいて仮説を立て立証しながら現象の説明へとつなげる科学的な問いを持たせる時間である。


  • 本時目標
    日常の間隔では一見矛盾する物理事象について、疑問に思ったことや不思議に感じたことの原因を明確にし、それを解き明かすための課題を設定できる。
  • 本時展開 (9時間扱い 本時8/9時間目)
時間主な学習活動指導上の留意点
導入1. 本時のめあてを確認する。
2. 力学的エネルギー実験器を使った物理現象を観察する。
●物理事象の観察を通して、感じた疑問に基づいて、学習の課題を設定するように伝える。
●教師の演示に続き、複数の生徒でも実験を行い、いずれも同じ結果になることを確認する。
●学習者用端末を使い動画撮影し、後で繰り返し見直せるようにする。
実験による事象を観察して、解決したい課題を設定しよう。
展開3. 【個人】観察の結果をもとに、疑問に思ったことや不思議に感じたことを文章や図で表す。
4. 【協働】 グループのメンバーと互いに気づいたことを共有し、グループで合意した課題として一文にまとめる。
●撮影した動画を見直しながら、疑問等を文章にするように伝える。
●同時編集機能を活用して、役割を分担して、グループとして十分な情報量を得るように指示する。
まとめ【全体】グループの課題を出し合い、重なる課題はまとめつつ、学級全体で解決していく課題について絞り込む。●無理に一つに絞らず、生徒の話し合いの判断に任せるようにする。

地方自治 (情報活用能力を育む授業事例 ②情報の収集)

  • 情報活用能力育成をめざす単元づくり
    本単元では、地方自治の制度や仕組みに関する理解を基盤として、具体的な地方公共団体(市区町村)の課題に着目して、その課題を解決するための政策案を立案する学習に取り組む。とくに、現実の市区町村を検討の対象とするため、当該の市町村の概要や課題、政策案は具体的であるとともに、多様で大量の情報を適切に活用する必要性にせまられるものとなり、情報活用能力の育成を期待できる。
  • 社会科における情報活用能力ベーシックと本時の 「13のキーワード」
    ●5つの学習プロセス  ②【情報の収集】:対象とした地方公共団体に関する諸資料から、社会的事象に関する様々な情報を適切かつ効果的に収集する。
    ●13のキーワード: 「収集」


    前時までの学習で、4人1組で構成されるグループにおいて、検討の対象とする市区町村をそれぞれ決定している。本時では、地方自治の制度や仕組みに関する授業者による説明の後に、対象とした市区町村に関する諸資料から、当該市区町村に関する基本情報を収集する。なお、次時ではこの基本情報に基づいて当該市区町村の課題を設定することを伝えておくことで、この学習への意欲を高めたい。
  • 本時目標
    検討する対象とした市区町村について、自然環境・気候・産業・地方議会・首長・特徴的な条例・地方財政・人口・人口構成に関する情報を適切に収集することができる。
  • 本時展開  (7時間扱い 本時2/7時間目)
時間主な学習活動指導上の留意点
導入1. 本時のめあてを確認する。●市区町村の課題をよりよく発見・設定するための学習であることを合わせて伝える。
対象とした市区町村に関する基本情報を収集し、その適切さ正確さを確認し合う。
展開2. 【個別①】 それぞれの端末を活用して、当該市区町村や行政機関等のwebページから、当該市区町村の「自然環境・気候・産業・地方議会・首長・特徴的な条例・地方財政・人口・人口構成」 に関する情報を収集し、グループ内で共有しているプレゼン資料に蓄積する。
3. 【協働】プレゼン資料に記された引用元へアクセスし、引用の適切さや情報の正確さなどを確認し合う。
●引用元となった web ページのサイト名やURL、最終閲覧日を合わせて記録させる。
● 同時編集機能を活用して、役割を分担して、グループとして十分な情報量を得るように指示する。

●確認した結果や改善すべき事柄はコメント機能を活用して記録し、対面での議論に活用する。
まとめ4. 【個別②】 3に学習活動に基づいて自分が収集した情報等を修正し、プレゼン資料に反映させる。また、当該市区町村の課題として指摘できると考える事柄を強調する。●コメントや議論を踏まえて修正するだけではなく、次時の課題の発見・設定につなげるように伝える。

観察・分析して論じよう 『ポスター』の批評文 (情報活用能力を育む授業事例 整理・分析)

  • 情報活用能力育成をめざす単元づくり
    街に溢れている何気ない広告やポスターは、多くの検討や批評を経て世の中に出ている。中学生は普段、自分達の作品が評価されることが多い立場だが、今回は自分達が複数のポスターから最優秀作品を選出する過程を辿る。何気なく触れている、広告やポスターを改めて観察し、込められた思いや情報の適切さ、描かれ方について分析・評価する活動を行う。本単元では、Google サイトを活用した自由進度学習を試みており、Google サイトに必要な情報を事前に掲載し、学習者はそれらを参考に学習を進めていく授業スタイルをとった。複数の視点から対象を捉えたり、違いを比較し、物事を多面的に捉えられたりすることができ、それを表現につなぐことで情報活用能力の育成ができると考える。
  • 国語科における情報活用能力ベーシックと本時の 「13のキーワード」
    5つの学習プロセス ③【整理・分析】:集めた情報を、観点に沿って比較、分類、関係付け等して、伝えたいことを明確にする。
    ●13のキーワード::「比較」


    前時までの学習で映画のポスターを観察したり、観点毎に評価をしたりして、自分なりのベストを選出する。ポスター以外にも、ゆるキャラやロゴマークなど多様な物事について、観察・分析する活動を行い、ものを多面的に捉える活動を行なっている。本時では、牛乳普及委員として推進ポスター4種類の中から最優秀ポスターを選出するために、ポスターを観察し、観点をもとに自分なりに分析し、その見方・考え方をもとに批評文を書く活動へとつなげる。
  • 本時目標
    観察・分析したり、他の作品と比較したりして最優秀ポスターを選出することができる。
  • 本時展開(5時間扱い 本時5/5時間目)
時間主な学習活動指導上の留意点
導入1. 本時のめあてを確認する。
●牛乳普及推進委員として、ねらいに適切か、構図や文字の配置などが見やすいか観点毎に評価を行うことを確認する。
●自作サイト上に、ポスターや観点表(教師作成)があることを確認する。
牛乳普及推進委員として最優秀ポスターを選ぼう
展開2. ポスターについて批評文を書くために、観察・分析を行う。
【個別①】観点をもとにそれぞれのポスターについて観察、分析する。
【班別①】各自の意見を持ち寄り、多様な視点からポスターを分析する。
【班別②】 班員の考えを比べたり、合意形成したりしながらどの作品を最優秀ポスターにするか決定する。
3. 選んだポスターについての批評文を書く。
【個別②】決定したポスターについて批評文を書く。最優秀作品だけでなく、他の作品についても言及した文とする。
●原則として観点は示すが、各自で観点を追加することが大事であると助言する。
●自分が選んだ作品の良い点や他を選ばなかった理由を簡潔に伝え合う。

●他者と話し合うことで自分が気づかなかった視点を得たり、互いに納得できる点を話合ったりして、批評文を書くこととする。
まとめ4. 批評文を読み合うことを確認する。●批評文を書く際のポイントを参考にして読み合うようにする。

小学6年生に、中学校の楽しい学校生活を伝えよう! (情報活用能力を育む授業事例 ④まとめ・表現)

  • 情報活用能力育成をめざす単元づくり
    本単元は、学年末、複数単元を学んだ後のまとめとして設定した。既習事項を活用し、次年度入学する校区の小学校6年生に中学校の学校生活や行事等を紹介するビデオレターを作成し、中学校の魅力を伝える。小学生が知りたい内容について事前にアンケートをとることで相手意識が生まれる。学習過程では、写真や映像を交えて事実を伝えるとともに、自分達の経験をもとに考えや気持ちなども整理して伝える。そして、簡単な語句や文を用い、まとまりのある内容を動画で伝えるという言語活動を行うことで、一連の情報活用能力が育成できる。
  • 外国語(英語) における情報活用能力ベーシックと本時の 「13のキーワード」
    5つの学習プロセス ④【まとめ・表現】:事実や自分の考え、気持ちが相手に伝わるように語句や文を選んだり、まとまりのある内容になるよう工夫したりして表現する。
    ●13のキーワード:「表現」


    小学生へのアンケート結果に基づき、前時までに小学生に紹介する内容をマッピングし、決定しておく。ビデオレターで使う写真や映像の選定も、まとめの場面でやっておく。
  • 本時目標
    小学生に伝わるように班で工夫しながら、まとまりのある英文で中学校生活について話すことができる。
  • 本時展開
時間主な学習活動指導上の留意点
導入1. スモールトークを行う。
• What's your favorite school event at elementary school?
2. 本時のめあてを確認する。
●班で互いにアドバイスしながら、相手意識をもって伝えることを確認する
●好きな理由も含めて生徒とやりとりする中で、会話のモデルを示す。中間指導を入れ、繰り返し活動させる。
●学校紹介を行う目的を再確認する。
校区の小学生に、中学校生活をわかりやすく伝えよう。
展開3.【協働①】
● 互いに学校紹介をし合う。内容面を中心に、より工夫したほうがよい点を伝えあう。
●他の班からのアドバイスをもとに、自分の班の紹介文を修正する。必要があれば、使用する写真や動画を入れ替える。
【協働②】
●再度班で互いの紹介を見合い、言語面を中心に、より工夫した方がよい点を伝えあう。
●アドバイスをもとに再度紹介文を修正する。完成したら、ビデオレターとして録画する。
●小学生が知りたい内容になっているか、事実や考えなどを伝える順番は適切かを考え、アドバイスし合うように助言する。
●既習事項を活用できるよう、いくつか例を出しながら全体で中間指導を行う。
●机間指導をしながら、ジェスチャーを用いて話すなど、工夫のポイントを伝える。
まとめ4. 【個別】 振り返り Forms で工夫した点を振り返る。

※本事例の執筆にあたっては渡邊由美指導主事(鳥取県教育委員会)の協力を得ました。

1次関数 (情報活用能力を育む授業事例 ⑤振り返り・改善)

  • 情報活用能力育成をめざす単元づくり
    本単元の関数分野は、表や式、グラフなど様々な表現方法がある。そのため、課題解決の過程では、考えたことや工夫したことなどを、多くの数学的な表現を用いて伝え合うことが可能となる。またグラフ作成ソフト等を活用することで、説明の根拠を明確に示すことができるようになり、情報活用能力の育成を図ることができる。
  • 数学における情報活用能力ベーシックと本時の 「13のキーワード」
    5つの学習プロセス ⑤【振り返り・改善】:問題解決の過程を振り返りながら、数学的な表現を自立的、協働的に修正し、評価・改善しようとする。
    ●13のキーワード:「改善」


    前時までの学習で、グラフの傾きと切片を読み取ると1次関数の式が求められることを学んでいる。本時の導入では、切片を読み取ることができないグラフを提示する。1人では解決が困難と思われるような課題を提示することで、1次関数の式を求める方法を協働的に考え、最適な方法をまとめる。さらに、その方法が本当に最適であるかどうかを、自ら問題作成を行うことで示す。
  • 本時目標
    切片を読み取ることができないグラフの式を、求めることができる。
  • 本時展開
時間主な学習活動指導上の留意点
導入1. 本時のめあてを確認する。●切片を読み取ることができないグラフを提示する。
●なぜ今回のグラフは式を求めることができないのかを確認する。
このグラフの式の求め方を考え、より良い方法をまとめよう。
展開2. 【個別】 個別で求める方法を考える。
3. 【協働①】それぞれが考えた方法を互いに説明をする。さらにその中で最適な方法を1つグループで考え、資料を作成してまとめる。
●まずは、自分の考えを持つことが大事であること、できれば複数の方法を考えるように指示する。
●考えた方法を数学的な表現を用いて説明するように指示する。
●資料は全体で共有ができるように設定をする。
まとめ4. 【協働②】他のグループの求め方を参考にして、考えた方法が本当に最適なのか再考する。その際に明確な根拠を示すために問題作成を行う。それらの結果を資料にまとめ直す。●問題作成は数値などをすぐ変えられるように、グラフ作成ソフトを用いて作成するように指示をする。
●問題はグループで解き合うように伝える。

※本事例の執筆にあたっては有金大輔教諭(北海道教育大学附属函館中学校)の協力を得ました。

  この事業は、競輪の補助を受けて実施しました。