目的・狙い

 デジタル教科書やデジタル教材等の教育コンテンツの流通拡大を目的に研究活動を続けています。

活動概要

 当プロジェクトの大きなテーマである「教育コンテンツの形態と流通」に関して、コンテンツがどのような内容や属性を持つかを示すメタデータを新たなテーマとして研究を進めています。このメタデータは、学習指導要領コードや学習要素リストなど、単元等の学習箇所を指し示すだけでは表せない内容を補完するものと考えています。コンテンツの詳細情報としてのメタデータを、Webで教材を提供する各社が公開しているHTMLのヘッダ部に組み入れ、それらのページからメタデータの情報を収集する仕組みを提案することで、コンテンツ流通の一助になることを期待しています。
 一方、このメタデータを付与する作業は、ある程度負荷の高い作業ではありますが、これらの作業を生成AIの利用によって効率化することで、Webでの情報発信の即時性が向上することが期待できます。今後、これらの研究をより具体化し、深化させて、成果を発表できるよう調査・研究を進めていきます。

最近の活動状況(2024年度下期)

 第1プロジェクトでは、デジタル教科書やデジタル教材などの教育コンテンツの円滑な流通と効果的な活用を目指し、調査研究と提言活動を行っております。2024年度は、「教育データの利活用」を中心テーマとし、教育・学習コンテンツを教育現場にどのように届けるかという観点から、標準化のあり方について調査研究を進めております。特に、デジタル教科書や学習ソフトなどをシステム面から見た標準化の検討は、校務支援の効率化や学習環境の向上にもつながる重要な取り組みです。また、昨年度に引き続き、学校現場におけるICT活用の実践事例を、有識者の協力のもと提案しており、今年度は生成AIを取り入れた教育実践についても研究を進めております。
 これまでには、学習指導要領や教科書の構成を基に学習内容を細分化した「学習要素リスト」を策定し、文部科学省へ提言を行いました。さらに、コロナ禍による遠隔学習の推進やGIGAスクール構想の展開を背景に、デジタル教材の流通における最適なICT利活用のあり方を検討し、メタデータ活用による標準化を目指して調査研究を行っております。
 こうした取り組みに基づき、2023年11月には文部科学省、12月には総務省(PDS推進)、2024年1月にはデジタル庁に対して提案を行い、今後の制度構築に向けた課題についても意見交換を進めてまいりました。
 現在、本プロジェクトには長年関わってこられた専門家に加え、新たに参加された会員企業の皆さまも多数参加しており、オンラインを含めて毎月約15名での定例会を実施しています。会議では、JAPET&CECからの情報共有や関係省庁との意見交換に加え、研究テーマに関する活発な討議を行っております。
 今後も、メタデータ利活用の可能性をさらに深掘りしつつ、関係省庁への継続的な提案とともに、より良い教育コンテンツの流通と活用を目指して活動を進めてまいります。