教育の情報化の未来

(サンプル文書)

GIGAスクール構想で全国の小中学校に1人1台の学習者用PCと学校内のWi-Fi環境がいきわたりました。また上述のように、1人1台のPC活用は、特に個別学習・協働学習の学習場面でとても有効であることも早くからわかっています。さて、それでは全国の学校でそのような活用を開始できる状況になっていると言えるでしょうか。
実際には、ほかにも考えるべき項目がいくつかあります。ここでは、そのような活用の前提となる項目を挙げてご説明しますので、確認してください。

快適なネットワーク環境

GIGAスクール構想によって、たくさんの端末が学校からインターネットを使用することになりましたが、地域によっては、学校からインターネットへの接続回線の強化が間に合っていない自治体が多くあります。なかには、児童生徒がログオンするだけでも非常に時間がかかったりエラーになってしまったりしている学校もあります。
GIGA環境を生かすためには、まずは、全ての端末が快適に使えるよう、しっかりしたネットワーク環境をととのえる必要があります。

文房具としてのPCとキーボード入力

GIGAスクール構想では、PCは決して特別な時に使う特別な道具ではなく、児童生徒の新たな文房具となります。この新しい文房具を使いこなすためには、キーボードによる入力がとても大切な基礎技術となります。近年はスマートフォンも普及していますが、狭い画面では効率も悪く断片的な文章になってしまいますので、PCのキーボードからの入力はこれからもまだまだ重要な道具であり続けるでしょう。
小学校中学年以上であれば、年齢に応じて自分の考えをしっかり文章にできるよう、毎日PCに触れる機会を作り、苦労せずにキーボード入力をできるようにすることが大切です。キーボードの練習は、特別のソフトウェアがなくても、やさしい英文やひらがなだけの文章などを書き写すところから始めて、早打ち競争のようにゲーム感覚で楽しめば、すぐに上達するはずです。また授業や宿題などでも、できるだけキーボードを使う機会を作るようにしましょう。

基本的な情報セキュリティ・情報モラルの学習

日常的にインターネットを利用しますので、基本的なセキュリティや個人情報の扱い方についても学んでおく必要があります。インターネットとはどういうものか、各種SNSや動画サイト、ニュースサイトなどはどう利用するべきか、個人情報や著作権、コンピュータウイルス、詐欺サイトなどについてもどう注意すべきかといったことについて、年齢に応じて正しい知識を持たせることが重要です。
一方、現代ではSNSでの「ネットいじめ」なども増加しています。情報に関する責任なども、常に意識できるようにしましょう。

PCの不適切な利用の抑止

児童生徒になんの指導もせず、自宅に持ち帰って良い、自由に使って良いとだけ言ってPCを渡してしまえば、多くの子どもは夜遅くまでYouTubeやTikTokやオンラインゲームなどに使ってしまうでしょう。そうならないためにたいせつなことは、このPCがどういう経緯や背景から、何のために配られるのか、ということを、わかりやすく丁寧に児童生徒に説明することです。また、子どもが何をしているか、記録を取りながら大人が見守っている、といったメッセージを日頃から伝えることもたいせつです。